突然「膝が引っかかるような痛みが出た」「急に関節が動かなくなった」「何度も同じところが痛む」といった経験はありませんか?
これらの症状の背景に、実は“関節ねずみ(関節遊離体)”が隠れている場合があります。
関節ねずみとは、関節内の軟骨や骨のかけらが、文字通り“ねずみ”のように関節内を移動してしまう状態のことを指します。医学的には「関節遊離体」と呼ばれ、スポーツ選手に多く見られるほか、加齢による変性によって生じることもあります。関節内に小さな異物が入り込むことで、関節がロックしたり、強い痛みが出たりと、日常生活にも大きな影響を与える疾患です。
1. 関節ねずみが起こる原因
関節ねずみが発生する主な原因は以下の3つです。
① 骨軟骨炎(離断性骨軟骨炎:OCD)
スポーツによる繰り返しの負荷が原因で、関節の軟骨が剥がれ落ちてしまう状態です。特に成長期の子どもや10代の運動部の学生に多く見られます。
② 外傷(ケガ)による軟骨・骨片の剥離
転倒や衝突などの強い衝撃によって、膝、肘、足首などの関節内で骨や軟骨が欠けると、その破片が関節内に残り関節ねずみになります。
③ 変形性関節症などによる変性
加齢により関節の軟骨がすり減り、かけらが剥がれ落ちて関節内を漂うケースもあります。
2. どんな症状が出るの?
関節ねずみは大きさ・場所・動く範囲によって症状が異なりますが、以下のような特徴があります。
🔸 突然膝が動かなくなる「ロッキング」
関節内で軟骨片が挟まり、急に関節が曲げ伸ばしできなくなる状態です。非常に特徴的で、関節ねずみを疑う大きなサインです。
🔸 関節の中で“コリッ”とした違和感
小さな遊離体が動くと、関節内で引っ掛かるような感覚が出ます。
🔸 運動時の痛み
特に曲げ伸ばしのタイミングで痛みが出たり、急に痛みが走ることがあります。
🔸 腫れ・熱感
関節内で炎症が起きると、腫れたり熱を持つこともあります。
これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置しておくと関節の変形を進行させてしまうため注意が必要です。
3. 主に起こる部位
関節ねずみは身体のさまざまな関節で起こりますが、特に以下の部位が多いです。
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膝関節(最も多い)
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肘関節(野球選手などで多発)
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足関節(バスケ・サッカー選手に多い)
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股関節
膝で起こると階段が怖くなったり、肘の関節ねずみは投球動作に大きな支障が出るため、スポーツに大きな影響を及ぼします。
4. 治療方法について
関節ねずみの治療法は、遊離体の大きさや症状によって異なります。
① 保存療法(軽度の場合)
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安静
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アイシング
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サポーターなどによる患部の保護
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関節の炎症を抑える施術
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可動域を改善するリハビリ
小さな遊離体や症状が軽い場合は、これらの保存療法で痛みや炎症をコントロールすることができます。
② 手術療法(症状が重い場合)
以下のようなケースでは手術が選択されることがあります。
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ロッキングが頻繁に起こる
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遊離体が大きい
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軟骨が大きく欠けている
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スポーツを本格的に行う人
通常は関節鏡手術で遊離体を取り除き、軟骨面を整える処置が行われます。
5. 接骨院でできること
当院では、関節ねずみによる痛みや炎症の緩和、可動域の改善をサポートしています。
◎ 関節周囲の筋肉バランスを整える施術
関節にかかる負担を減らし、再発も予防します。
◎ 炎症を抑える処置・テーピング
日常生活での痛みを軽減します。
◎ スポーツ動作の改善指導
特にスポーツが原因の方は、フォームや身体の使い方を改善することで再発を防ぎます。
◎ 手術後のリハビリも対応
術後の可動域回復や筋力強化もご相談いただけます。
まとめ:違和感を放置しないことが大切
関節ねずみは、放っておいて改善する症状ではありません。
ロッキングや関節の引っ掛かりがある場合は特に注意が必要で、早めの検査・施術が大切です。
「最近膝が引っかかる」
「急に動かなくなる感じがある」
そんな症状がある方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
早期ケアが、将来的な関節トラブルを防ぐ大きな一歩になります。










